犠牲

自分が損してでも誰かのために行動することを「犠牲」と言います。

そのため「犠牲」という単語は一般的にいい意味で使われます。

でも恋愛では、それがケンカの原因になってしまうことも…

例えば「こんなにも自分を犠牲にして尽くしているのに、どうしてわかってくれないの?」とか

「私はいろいろ我慢したり手伝ってあげているのに、何で何にもしてくれないの?」のように…

そうなんです!

人はもともと、自分がしてあげたことはずっと覚えているのに、してもらったことはすぐに忘れてしまうのです。

せっかく相手を思って犠牲になったのに、そのせいでケンカになってしまうって悲しくないですか?

それなら相手のために労力や時間を割くのはやめて、自分のことは自分でした方がお互いのためだと思うかもしれません。

しかし、アリゾナ大学のキャシー・トータンハーゲン教授は、カップルが安定した関係を築くためには、犠牲も必要だと話しています

 

今日の犠牲

トータンハーゲン教授は164組のカップルを募集し、犠牲が恋愛にどのような影響を及ぼすのかを調査しました。

実験参加者たちには毎日、恋人のために自分がどんな犠牲を払ったのか記録してもらったのです。

例えば、友達との約束を断って恋人の課題を手伝ったとか、飲み会に行くのを我慢して恋人が欲しがっていたシャツを買ってあげたとか…。

そして、その日の関係にどれだけ満足したのか点数を付けてもらいました。

すると、犠牲を払えば払うほど恋愛満足度が高くなっていたのです!

恋人の課題を手伝って徹夜したり、高いプレゼントを買うために遊びを控えたり…自分が損をしているにも関わらず、どうして満足度が高くなったのでしょうか?

 

尽くせば尽くすほど

それは犠牲を払う過程で、相手への愛情が深まるからです。

実際にこの研究で恋愛満足度を高めた要因は、親密感(closeness)欲望(passion)ではなく関係を築いていこうとする意志(commitment)だったのです!

家の前を通る時に毎日見る花と、自分が毎日水やりをして育てた鉢植えとではどちらがより大切だと思いますか?

もちろん、後者ですよね?
恋愛も同じです。

恋人に尽くせば尽くすほど、それだけ恋人のことをより大切に思いこの関係を守りたくなるのです。

 

自分を労ることも大事

ところで、この記事を読みながらこんな疑問を持った方はいませんか?

「自分も恋人のために犠牲を払っているのに、なんで不満ばかり積もるんだろう?」と…

もしそうなら、勉強、職場、家族関係など恋愛以外でストレスが溜まっていないか自分の状況をまずチェックしてみてください!

トータンハーゲン教授の研究の結果深刻なストレス状態では、いくら相手のために犠牲を払っても恋愛に対する満足度は高くならなかったのです。

ストレスで余裕がない状態なのに無理して恋人に尽くそうとすると、負担がかかりすぎてしまうだけでなく、いつもより損した気分になってしまうと言います。

なので心に余裕がない時は、むしろ逆効果になってしまうのです。

このような時は、まずは自分自身を労ることを優先してください。

気持ちに余裕がない時に犠牲を払うと、自分が辛いだけでなく相手にもその辛さが伝わってしまいますから

「自分を大切にできない人が他人を大切にできるはずがない」ということを忘れないでください!

 

P.S.

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大人の非常階段の一言

犠牲は決して悪いものではないと言うこと!


*Koestner, Richard, et al. "Distinguishing autonomous and directive forms of goal support: Their effects on goal progress, relationship quality, and subjective well-being." Personality and Social Psychology Bulletin 38.12 (2012): 1609-1620.