辛い記憶

恋人に浮気されたり、突然音信不通になってフェードアウトされたりといった辛い別れを経験した事がありますか?

辛い別れを経験をすると、それを思い出す度に「絶対許せない!」「考えただけでも吐き気がする」「あんなヤツと付き合ってた自分が嫌になる」とマイナスな感情ばかりが込み上げてきますよね。

怒り、後悔、嫌悪感、恨み、自己嫌悪…

時にはこのような感情を何年も抱き続けてしまい、身も心もボロボロに…なんて事になる場合も。

それで今回は、脳科学的に辛い記憶を消す(!)方法2つを、2回に分けて皆さんにお伝えしようと思います。

今日はその記念すべき1回目!

重要なポイントが多いので、集中して最後まで読んでくださいね!

 

事実的記憶vs情動的記憶

記憶には様々な種類があります。

数ある記憶の種類の中でも今日は、単純に起きた事についての記憶と、 感情が絡まった記憶について説明していきます!

分かりやすく言うと…

「昨日コップを一つ割ってしまった」

これは事実的記憶で、

「そのコップは亡くなった母の遺品なので割ってしまった事がすごく悲しい」

これは情動的記憶です。

ここでのポイントは、記憶の中には事実と感情があるという事。

そして、記憶の中の事実そのものを消すことはできないけれども、それにまつわる辛い感情は消せるという事です。

分かりやすく説明するために、ここでひとつの例を紹介します。

皆さんが6歳の時に友達の前でお漏らしをしてしまったとしましょう。

友達にも散々からかわれて辛い思いをしたため、これは記憶から消したいくらい恥ずかしい出来事でした。

しかし、大人になっても当時の記憶がまだ辛いまま残っているでしょうか?

答えはおそらくNO!
恥ずかしい事実として記憶に残ってはいても、きっと小さい頃の面白エピソードに変わっていると思います。

なぜなら、時間が過ぎて情動的記憶が事実的記憶に自然と変わったからです。

このように、人は辛い記憶にまとわりついた辛い感情だけを削ぎ落として情動的記憶から事実的記憶に変えることが出来るのです。

もしこの操作を自由自在に出来たらどんなにいいでしょうか(;・∀・)

辛い感情がなくなれば、その出来事を思い出すたびに辛い思いをしなくて済むし、

思い出したくもない辛い記憶を必死に抑え込もうとする必要もなくなるのですから…!

 

記憶から削除

もちろん記憶から感情だけを削ぎ落として事実的記憶になっても、その記憶が消えるわけではありません。

しかし、辛い感情がなくなった事実的記憶はただの思い出の一つになり、特別なきっかけがない限り思い出すことがなくなります。

つまり、別れによる辛い記憶も事実的記憶になれば日常生活で思い出す事がほとんどなくなるのです。

考えてみてください。

「あの人を忘れられない」と言う時、その人の名前や住所、電話番号のような事実的記憶を消せないってことではないですよね?

その人に対する自分の感情、つまり情動的記憶が消せないって事だと思います。

だけど、記憶にまとわりついていた感情がなくなれば、思い出すたびに後悔したり、怒ったり泣いたりと感情的になる事はなくなりますよね。

元恋人に対する全ての情報を覚えてても、そこに感情がなければ元恋人のことは忘れたも同然です。

 

方法1:視点を変える

では、今から具体的にどのような方法で感情を削ぎ落として辛い記憶を事実的記憶に変えるのかを説明していきます!

一つ目の方法は…記憶を違った視点で振り返る!です。

例えば、皆さんが恋人とカフェで別れ話をしたとします。

別れる直前の2人は真剣な顔で、もしくは涙を流しながら話していたでしょう。

この時の記憶を1人称、つまり体験している立場ではなく、ちょっと離れたところで見ている3人称視点に置き換えてみてください。

まるで2人の周りをぐるぐる飛んでいるハエになった気分で、2人の様子がどうなのか遠目で見ている想像をしてみるのです。

一つ一つ状況を細かく思い出して正確にやる必要はありません。なんとなくでも大丈夫です。

目を閉じて5秒ほどやってみてください。

 

効果は…?

実際にちょっとやってみてどうでしたか?心が楽になりませんでしたか?

でも、こんな簡単な方法でどうやって辛い気持ちを薄めて楽にできるのか気になりますよね(^_^;)

実は、辛い記憶を何回も繰り返し思い出してしまうのは、失敗から学ぼうとする脳の本性のせいだといいます。

そのこと自体は決して悪い事ではありませんが、辛い経験に感情移入して思い出していくうちに、それがパターン化してしまうのです。

そして、脳は一度認識したパターンを繰り返そうとする習性があります。

こうして特定の出来事や特定の人を思い出すだけで、その時の感情がセットになって思い出されるという仕組みができるのです。

しかし、視点を変えてその記憶を思い出すことで、脳は既存のパターンをリセットして新たに記憶を処理し始めます。

視点を3人称に変えると、その時の感情に振り回されることなく一歩離れたところから状況を見直すことができますよね。

このように第3者の視点で記憶を辿ることを何回か繰り返していくうちに、辛い記憶を呼び起こしていたパターンが変わっていき、冷静さを取り戻します。

相手の名前や一緒に行った場所などの情報から、ふと別れた時のことを思い出したとしても、感情的になることなく一つの思い出として処理できるようになるのです。

この方法を心理学では「セルフ・ディスタンス」と言うのですが、詳しく説明している記事があるのでぜひ参考にしてください!
(参照:心が軽くなる!失恋から立ち直るための2つの方法)

おっと…お伝えしたい事が多すぎてついつい長くなってしまいましたね(;・∀・)

次の記事ではアンカリングという心理テクニックについてお話する予定ですので、次編もチェックしてくださいね!

P.S.

次の記事を待つ間に「恋愛スタイル診断」テストをしてみてはいかがですか?

この診断テストでは、自分が恋愛をしながらぶつかる問題、そしてその問題を乗り越えるための方法を知ることができます。

ぜひ一度、自分自身を振り返ってみてください。


ほっとけない仏様の一言

脳の仕組みは複雑なように見えて意外と単純!