私は日本で生まれ育ち、
20代に留学でアメリカに渡った日本人。
夫はアメリカに移住した両親をもつ在米日本人。
私達は同じ日本人である事に変わりはないと思っていた。
彼は日本語が流暢で、
朝食には味噌汁と納豆を好み、普段からLINEもよく使っていた。
義理両親や姑のような言葉は知らなかったけれど…挨拶は、真っ直ぐ立ってお辞儀するのが当たり前だった。
だから、一緒に生活してても文化の違いで困る事は何もないだろうと思っていた。
しかし、それは大きな間違いだった。
80年代に移民に渡った彼の両親が考える慎ましいお嫁さん像とわたしは、天と地ほどの差であったからだ。
私は自由な雰囲気の家庭で育った。
実家では長女だったので弟より大きい部屋を使っていたし、女の子だからあれをしちゃダメ、男の子だからこうしろとか言う家庭ではなかった。
一方で彼の両親は、
昭和の日本の考えのままアメリカで生活しているような方たちである。
男は仕事、女は家庭。
そのような家で彼は育ったのだ。
私たちはこのような問題でぶつかっては相手を猛攻撃していた。
夫から見たら、私の家が何から何まですべてが間違っているように思えて仕方がないのと同様に、
私から見た彼の家も変だったのだ。
そしてある日、私はハッと気付かされた。
「そうよ、家庭というものは皆同じじゃないはず。私はなんで自分の家が正しいと思っていたんだろう。正しい正しくないじゃなくて、違いを認めて受け入れなきゃ!」
しかし…このようなポジティブな考えは、ひと月も持たなかった。
私は夫の家族といる時、いつも赤紫のような存在であった。
紫の国では赤が主張しすぎているし、赤の国では紫が目立ちすぎている様に。
それとは反対に、うちの家に来た夫は黄緑色だった。
私の家では、彼はいつも黄みがかりすぎていたり、青みが目立ちすぎていた。
結婚歴10年になる親しい先輩に会って、こう漏らしたことがある。
「夫と私の間には何も問題がないの。それなのに、いつも向こうの親やうちの実家の事でケンカになるのがやるせなくて本当にもどかしいの。」と。
すると先輩は言った。
「二人の間に問題がないのは当然よ。」
「だから結婚できたのよ。2人の間に解決できない問題があったら普通、結婚前に別れるはずだからね。」
「みんな運命の人を見つけたって言って、喜んで結婚するでしょ。完璧な相手だと信じて。だったらなんで離婚すると思う?」
「いろんな事情があるだろうけど、夫婦が深刻に争うのは、結局第三の問題が原因なの。彼の家族、自分の家族、お金、こども…そういった事よ。」
先輩のことばが胸に響いた。
お互い好きな気持ちは変わらないのに、第三の問題のせいでむやみに関係が悪くなるのは避けないと…。
愛し合ってるから結婚したのに、
周囲のせいで2人の仲が引き裂かれるような事はあってはならない。
ただそう誓いに誓っても、現実はそう甘くない。
先輩の言葉通り、結婚とはまさに2人だけの問題ではないんだと思う。
お互いに愛する気持ち以外のモノが、私達の仲を引き裂くかもしれない。
死ぬほど好きで、
夫がいない人生なんて想像もできない。
夫以外は考えられなくて、
逃したらもう二度とこんな人に出逢えないと思えた。
そんな愛に出会える事は本当に難しくて、尊いというのを誰もが分かっているだろう。
それなのに外部の問題のせいで、やっと手に入れた愛を傷つけ合ってしまうのだ。
毎回突然来るのはやめて欲しいと伝えたのに、今週もまた孫の顔が見たいと連絡なしで訪問してきた義両親と波乱に満ちた週末を送る羽目になった。
それでも私たちは、割とよく耐えた。
第三者に侵食を受ける訳にはいかないから。
私たちの愛は私たちで守らなければいけないのだ。
<結婚の現実シリーズ>
「結婚とは決してロマンチックなものではない!」
結婚6年目、母親3年目、人間40年目を迎えたsimjiaさんのリアルな結婚生活日記。
彼女が結婚生活で体験したエピソードを隠さずそのままお伝えします!誰かの正直かつリアルな結婚生活の話を聞くだけでも、きっと私達の恋愛に役立つはずです♡
筆者: simjia
結婚してみたら思っていたのと違った…という実体験をもとに結婚のリアルをお伝えできればという思いで始まったこのシリーズも今回で最後です。最後までお読みいただき有難うございました!