自信 VS自信過剰
研究によると、人は自分に自信がある異性に魅力を感じると言います。
(Arnott & Elwood, 2009)
だとしたら、自信過剰(overconfidence)はどうでしょうか？
自信過剰とは、本来自分が持っている能力以上に、過度に自分を高く評価することを言います。簡単に言えば「虚勢」です。
自信がある人が魅力的ならば、虚勢を張って自信を誇張すればするほど、より魅力的に見えるのではないでしょうか？
クィーンズランド大学心理学科のショーン・マーフィー教授は556名の実験参加者を対象に自信過剰と魅力について面白い実験を行いました。
マーフィー教授はまず、参加者たちがどのくらい虚勢を張っているのかを測定しました。一体どうやって測定するのかって？
簡単です。
マーフィー教授は参加者たちに常識クイズ25問を解かせた後、自分が全体の参加者のうち何番目くらいだと思うかを聞いてみました。
そして、自分が考えた順位と実際の順位のギャップを虚勢と定義しました。自分が実際よりもかなり良くできたと考える人ほど自信過剰であると考えたのです。
では、次にマーフィー教授は参加者たちに合コンのための紹介プロフィールを作らせた後、オンライン合コンゲームに参加させました。
このゲームは、他の同性及び異性参加者のプロフィールを見て、どの異性に声をかけるか決定するゲームでした。
果たして、自信過剰な人は合コンでどのような成績を収めたのでしょうか？
虚勢と魅力の間
結果は驚くべきものでした。
自信過剰な人は、他の人に比べて合コン成功率が25%も高かったのです！
マーフィー教授、一体どうしてこのような結果が出たのでしょうか？虚勢を張る人がより魅力的だったということですか？
「結果だけ見ると、そのように見えるでしょう。しかし、自信過剰な人がより魅力的だというわけではありません。」
え？
「もちろん、たとえそれが虚勢でも、自信に満ちて見える効果はありました。これは魅力度に肯定的な影響を及ぼします。」
「問題は自信過剰が傲慢に見える副作用もあったという事です。」
「そして、この2つの効果がお互いに相殺されて、結果的に魅力度には変化がありませんでした。根拠の「ある」自信は魅力的ですが、根拠の「ない」自信は魅力的ではないのです。」
いや、でもなぜ虚勢を張る人の合コン成功率が上がったのでしょうか？
「ここには予想できなかった2つの効果がありました。」
#1. ライバルを追い出す効果
「合コンのように何人かの人と異性をめぐって競争する状況では、個人の魅力度だけでなく、競争がどれほど激しいかも成功率に影響を与えます。」
「人は同じ異性を、虚勢を張る人と取り合うことを嫌がったのです。合コン実験を見ると、自分が気になる人が虚勢を張る人と一緒の時は、身を引く傾向を見せました。」
「虚勢には、ライバルたちの気持ちを削いで競争を弱める効果があるのです。」
#2. 戦闘力上昇効果
「異性を取り合う状況では、積極的な態度が重要です。他の人と張り合うことを恐れずに積極的に行動すれば成功率を高めることができるからです。」
「自信過剰な人は他の人と張り合う事を恐れませんでした。合コンゲームでも気に入った人がいたら、誰がいようと果敢に接近したのです。」
「そのように他の人よりもかなり積極的に異性に近づくため、虚勢を張る人は成功率が高かったと言います。後先考えない勇敢さでもありますが、勇敢であれば恋愛ができるという事も事実だからです。」
若干の虚勢
事実、ほとんどの状況では虚勢を張ることは良くない結果に繋がります。と言うよりはむしろ、反感を呼ぶ可能性が高まります。
しかし、合コンやサークル、学科や会社の集まりなど、何人もの人と張り合わなければならない状況なら、若干虚勢を張ることが役に立つこともあります。
自分のライバルが誰なのか、そして自分が競争することを恐れずに気に入った人に気持ちを表現しているかが成功率に影響を及ぼすからです。
自分の魅力をちょっと飾るくらいの虚勢なら、もう少し自信を持って異性に近づいて、潜在的なライバルを防ぐのに役に立つでしょう！
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