凍りついた心

以前、僕がなぜ回避型の愛着タイプになったかについてお話しましたが…
その時「アナと雪の女王」の主人公エルサも実は回避型だとお話したこと、覚えていますか?
(参照:エディターの僕が回避型の愛着タイプになった理由)

映画「アナと雪の女王」の解釈の仕方は人それぞれですが…
私はこの映画が、回避型の心の中をよく表している映画だと思っています。

この記事を読んだ後に改めて「アナと雪の女王」を観ると、セリフ一つ一つにどれだけ深い意味が込められているのか気づくことができ、新たな発見がたくさんあるはずです。

「愛着タイプって?」
「回避型って何…?」という方も、
「アナと雪の女王」を観たことがある方なら必ず今回の記事を楽しんでいただけると思います!

もしまだ「アナと雪の女王」を観ていないという方がいたら、ネタバレが含まれているのでご注意下さい!(´;ω;`)

 

心は一つじゃない

人の心の中には、様々な感情が混在しています。
(ちなみに僕は今「甘いものを食べたい」という気持ちと「痩せたい」という気持ちが入り交ざっています…)

ではここで、
映画の舞台であるアレンデール王国を一人の心の中だと考えてみて下さい。

国王夫妻、エルサ、アナ、オラフなどと言ったそれぞれのキャラクターが、
僕たちの心の中に共存する欲望や防衛本能を象徴していると考えてみましょう。

人は本来、誰かを愛し、愛されたいという欲求を持っています。

その反面、傷つくことを恐れるがゆえに相手を突き放し、逃げ出したいという欲求もあります。

「アナと雪の女王」では、
アナが前者をエルサが後者の感情を象徴しています。

つまり、傷つくことを恐れる気持ち(エルサ)が強くなりすぎてしまい、

愛し愛される欲求(アナ)を抑え込もうとしてしまうのが、回避型愛着タイプの特徴なのです。

なので、エルサの魔法を中心に繰り広げられていくこのストーリーは、典型的な回避型の心を表した内容だと言えます。

 

1つ目の「傷」

では早速、映画の冒頭部分から見てみましょう。

エルサとアナは幼い頃、
とても仲の良い姉妹でした。

ですがある日、エルサは周りのものを凍らせる能力のせいで、アナを傷つけてしまいます。

この時エルサは、生まれて初めて親しい人を傷つけてしまい、それが原因で自らも深く傷つくという経験をします。

そして幼いエルサは「誰かと親しくなるのは怖いことなんだ」と感じてしまいます。

なぜなら、誰かと親しくなると、いつその人を傷つけてしまうか、その人に傷つけられるか分からないからです。

傷ついたアナを治療してくれたトロール族は、エルサの能力についてこのように話します。

「魔法は美しくもあるが、危険でもある。制御しなくては恐れの感情が危険につながる

エルサの能力は、触れるものを凍らせたり、その氷で壁を作ったりすることです。

これは、他人との間に壁を作って、自分を閉じ込めておくという能力でもあります。

エルサとアナのお父さんである国王は、
エルサが自分の力をコントロールできるようになるまで、城の門を閉めて、アナとエルサを外の世界から完全にシャットアウトしてしまいます。

またエルサも、自分の能力を隠すため、
部屋から出てこようとしません。

これは、回避型が傷つかないために心を閉ざし、誰も中に入れようとしない様子を表している場面です。

回避型は、他人に振り回されて自分の感情がコントロールできなくなることを嫌います。

閉まった扉手袋は、そんな回避型が持つ防衛本能の象徴として描かれているのです。

そして国王は、
エルサに手袋を渡しながらこのように話します。

「力を隠して、感情を抑えて、
人に見せない」

これこそ回避型の性格を最もよく表す、
名ゼリフと言えるでしょう。

 

閉ざされた心

国王夫妻は、城に姉妹を残したまま旅に出るのですが、不慮の事故でこの世を去ってしまいます。

空っぽになってしまったお城で、
アナは何年間もエルサの部屋をノックしますが、エルサは頑なに開けようとしません。

そして、それに疲れてしまったアナは、
エルサを外に出すことを諦めてしまうのです…

この場面は、エルサが回避型の防衛本能によって「愛し、愛されたい」という欲求を心の奥底に閉じ込めることに成功したことを表しています。

ですが、2人にとって運命の日が訪れます。
エルサが女王に即位する戴冠式の日です。

この日エルサは、お城の門を開けてアナや外の人に十数年ぶりに会うことになります。

この戴冠式は回避型のエルサにとって「初恋」と同じでした。

つまり、今までずっと閉ざしていた心を初めて誰かに開いて、愛されたいという気持ちに初めて素直に向き合った瞬間だったのです。

一方でアナはこの日、
初めて会った王子に心を奪われ、
プロポーズまでOKしてしまいます。

この時王子とアナが歌っていた「とびら開けて」は、閉ざされた部屋にいたエルサとは対照的な内容でしたよね(^_^;)

そして戴冠式のパーティーで、このようなやりとりがありました。

アナ:気分最高よ。お姉さまと一緒だもの。いつもこうしていたい

エルサ:私もよ。でもムリ…

アナ:なぜ?

エルサ:ムリなのよ

このエルサの台詞に、回避型の無意識な防衛本能が現れています。

エルサの表情に、
辛さと恐怖心が表れているのが分かりますよね?

この後エルサは、自分に近づこうとするアナを拒否し、隠し続けていた能力まで見せてしまいます。

そして、子供の頃にアナを傷つけて以来、また心に大きな傷を負ってしまったのです。

 

Let It Go

パニック状態になったエルサは、
すぐさま城から逃げ出してしまいます。

それと同時に、アレンデール王国に「終わりのない冬」が来ます。

誰も傷つけたくないと思っていたエルサに悪意はありませんでしたが、
傷つくことへの恐れが原因で王国全体を凍らせてしまったのです。

1人になったエルサは、これ以上自分の能力を隠す必要がないということに気づき、手袋を脱ぎ捨てます。

そして、隠し続けていた自分の力を思う存分発揮するのです。

この時流れる曲が、
かの有名な「Let It Go」です。

僕には「Let It Go」を歌っているエルサが、

成長した回避型が自分の性格を正当化しているように見えました。

エルサは与えられた能力を使って愛し愛されることを拒否し、壁を作り続けてきたのですが、

その能力を思う存分発揮できるようになって、
ついに…

氷の城を作って、自分自身を隔離してしまいました。

そうすれば、大切な妹や自分の国が安全だと信じていたからです。

他人と親しくなってもどうせ傷つくだけだから、最初から壁を作り、自分を隔離すれば悪いことが起きないと考えていたのです。

一見卑怯にも見えますが…
これは、全ての回避型が抱いている錯覚です。

つまり、誰にも心を開かなければ、不幸になることはないと信じているのです。

なので「Let It Go」は、
縛りからの開放や自由をテーマにした歌だと思われがちですが、実はそうではないのです。

あらゆる感情から自分を隔離し、守ろうとする回避型の防衛本能を象徴する歌だったのです。

記事が長くなってしまったので、
今日はここまでにします(^_^;)

続きは次編で!

ここまで読んで私もエルサと似ているかも…

もしくは、愛着タイプや回避型についてもっと知りたい!

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恋愛スタイル診断をしておくと、次編がより理解しやすくなりますよ☺


ほっとけない仏様の一言

「夢占い」でも、夢に登場する人は、それぞれ自分の感情を象徴するものだと言われています。