回避型の心理
恋愛の科学では、これまで「愛着タイプ」について何度もお話ししてきましたが、皆さんも、一度は聞いた事がありますよね?
「愛着タイプ」とは、人間関係を築く時の特徴を言うもので、全ての人は安定型、不安型、回避型の3つのうちどれか一つに当てはまると言われています。
3つのうち、不安型と回避型は「不安定な愛着タイプ」と呼ばれているのですが、これは2つのタイプが、安定型に比べて人間関係を築くことを苦手とするからです。
不安型については、恋愛の科学でも何度か扱ったことがありますが、記事は読んでいただけましたでしょうか?
参照:
いつも私ばかり恋人に執着してしまう理由
不安型から抜け出すためのトレーニング
そこで今回は、
「回避型の克服の仕方ってありませんか?」
「いつも不安型ばかりに焦点が当てられるので…」
と言うユーザー様のご意見にお答えし、回避型愛着タイプの特徴と、それを克服するための方法を二編に分けてお教えしたいと思います。
では早速、始めていきましょう!
回避型の誕生
愛着理論では、人の心をとても機械的に分析します。
例えば愛着理論によると、人が人間関係の築く方法は、3つしかないと言われています。
そしてそのタイプに応じて、行動の仕方などが全てプログラミングされており、いくら頭の良い人でも、そのプログラミング通りに行動してしまうと言うのです。
そのうち回避型が、恋愛をする時に見せると言われている行動は、次の通りです。
参照:
回避型を見分ける6つのポイント
人に頼ることが上手く、コミュニケーション能力が最も優れている安定型が、最も生存に有利だとされているのは、今が平和な時代だからです。
でももし、今戦争が起きたとしたらどうでしょう?
いつ大切な人が死んでもおかしくない状況では、なるべく早く情を捨てたり、忘れられる人の方が得なのです。
これが最も上手くできるのが、回避型です。
回避型の2つのエンジン
回避型を理解するためには、彼らの中に2つのエンジンがあると言うことを知っておかなければなりません。
それは、愛着エンジンと、愛着抑圧エンジンです。
回避型も実は、他人と親密な関係を築きたいという欲求があるのですが、彼らはこの「愛着エンジン」が付くと、自動的にその愛着を押し殺そうとする「抑圧エンジン」が発動してしまうのです。
そのせいで、誰かと仲良くなると不安になり、突き放そうとしてしまうのです。
つまり回避型の心の中では、2つの正反対のエンジンが同時に作動しているのです。想像しただけでも、辛そうですよね?
でも彼らは、誰かと親しくなるとなぜ不安になるのか、逃げたくなるのか、自分でも分からないのです。
誰かと付き合って上手くいかなければ「まだ完璧な人に出会えてないから」と考え、以前の恋愛が上手くいかなかったのも「相手が未熟だったから」「執着してきたから」と、恋人のせいにするのです。
その理由が、自分の内側にある「愛着を押し殺そうとするエンジンのせい」なんて、夢にも思っていません。
回避型の勘違い
一番の問題は、回避型の人たちが、自分の性格を誇らしげに思っている(?)という事です。
自立した生活、辛い事があっても一人で解決する自分の姿を見て「さすが私」と満足しているのです。
なので、いつも他人に愛情や関心を求める不安型を見ると、優越感すら感じてしまいます。
ですが回避型のこのような心理は、勘違いに過ぎません。
人を愛する欲求をグッと我慢することで、傷つくことはないかもしれませんが、その分幸せになることも難しいのです。
つまり「不安を0にすること」こそ、彼らが感じられる最大限の幸せなのです。
過度な依存は問題ですが、依存すること自体は人間なら誰しも必要です。
「他人に効果的に依存ができる人こそ、最も自立した生活を送れる」
愛着理論で、Dependency paradoxと呼ばれるものがあります。
これは、自立と幸せを同時に得るためには、お互いが頼りあえる人に出会い、共に歩んでいくことだと言うことです。
回避型はこれを苦手とするため、関係満足度や人生の幸福度が、3つのパターンのうち最も低いのです。
回避型のためのカルテ
回避型の人は、自分の生き方、考え方が正しいと思っているため、その分克服するのも難しいと言われています。
もし皆さんが回避型の愛着タイプで、自分の性格に問題を感じ、この記事を読んでいらっしゃるのなら、それはとても素晴らしい一歩を踏み出したと言えるでしょう。
では次編では、回避型の愛着タイプを克服するための具体的な6つの方法をお教えしたいと思います。(ニコリ)
P. S.
安定型、不安型、回避型のうちどれに当てはまるか、一度テストで分析してみて下さい。
恋愛の科学の<恋愛スタイル診断>では、あなたと恋人両方の愛着タイプを同時に調べる事ができます。
二人の特徴や相性を知り、これからどう付き合っていくべきなのか、しっかりと学んでみて下さい。
ほっとけない仏様の一言
自分が回避型ということを知っているだけでも、大きな前進です。