#小説で読む恋愛
アラン・ド・ボトンの恋愛小説「恋愛をめぐる24の省察」には特別ロマンチックな設定はありません。
平凡な「主人公」が平凡な女性「クロエ」に出会い、平凡な恋愛をして別れるというシンプルな話です。
まるであなたと好きな人、または好きだった人との恋愛と同じように。
男と女が出会い、恋に落ちて別れるまでの過程…
今日は、4ページ目を見ていきましょう。
皆さんは、好きな人が自分に好意を持ってると分かった瞬間、気持ちが冷めてしまったり、急に魅力を感じなくなってしまった…なんて事、ありますか?
なんと…!
クロエにあんなにも盲目だった彼がそうなってしまったと言うのです!(ショック)
では早速、小説の中の「僕」の話を聞いてみましょう!
僕の事好きだって?
惨敗に終わった初デートの後も何度かデートをし、クロエも次第に「僕」の気持ちに気づき始めます。
そしてある日のデートの別れ際…
僕はクロエに「素敵なデートだった」「また近いうちに会いたい」「クリスマスの休暇が終わったら電話する」と別れの挨拶をし、帰ろうとしたその時!
彼女は「僕」のマフラーの掴み、そのまま部屋に引き戻してきたのです。
そして、こう言います。
「私たち、子供じゃないでしょ。」と。
その後、人類史上もっとも長くて美しいキスをし…
(ちょっと大げさな気が…)
やっと「僕」はクロエと正式に恋人関係になれたのです!
ところが…
「僕」に奇妙なことが起こります。
クロエが自分を好きだという事がなんだか気まずく、居心地が悪く感じ始めたのです。
彼女と初めて一緒に過ごした夜も、彼女が心を込めて朝ごはんを準備してくれた時も…
なぜか「僕」は戸惑ってしまいました。
彼女に愛されていると感じた分だけ、むしろ自分の気持ちが冷めていくように感じたのです。
そして、彼はこう言ってしまいます。
「(こんな僕を愛してくれて、愛情を注いでくれる)彼女が嫌だ。」と。
好かれると冷める
好きで好きで仕方なかったのに、全てを手に入れた瞬間どうして気持ちが冷めてしまったのでしょうか?
このような現象が起こる理由は、次の「僕」のセリフから見つけることができます。
そうです。
原因は「自信のなさ」だったのです。
自分に自信のない人は、自分を信じることが出来ません。
そのため、他人の言葉もそう簡単には受け入れることが出来ないのです。
つまり「僕」自身が「自分は他人から愛されるほど価値のある人間ではない」と思っているため、クロエの愛を受け取れないでいるという事です。
だから「僕」は、クロエから愛されてると感じる度に、何だか気まずい気持ちになっていたのです。
しかし、問題はここからです。
自信のない人はこの現象を、相手の価値を下げることで解消しようとすると言います。
相手の短所を探したり、
「こんな自分を好きだなんておかしな人」と相手の価値を下げてしまうのです。
さらには、相手の価値を下げている事に自分自身が気付くことが出来ないのが一番の問題です。
そして、クロエに愛されていると感じれば感じるほど、彼女のことが嫌になってしまうのです。
もちろん変えられます!
では、自信を持てない人に「自分には魅力がある」という事を信じさせるにはどうすればいいのでしょうか?
それは、信じられないかもしれませんが…
「いい人に出会い、幸せな恋愛をする」のが一番です。
心理学者は、安定した関係の中で持続して愛情を受ける事が自信をつける特効薬になると言っています。
(Arthur Aron, 1995)
恋人と安定した関係を維持しながら、相手はとても魅力的な人だと確信できれば「こんな素敵な人と付き合えている」と自分に自信がついて、自分自身への評価も変わってくるのです。
小説の中の「僕」もそうでした。
彼女の変わらない愛のお陰で、自分もつまらない人間ではないと初めて気づく事が出来たのです。
クロエからの愛によって自信を取り戻した彼、果たして次のページではどんな展開が待っているでしょうか?
続きはまた5ページ目で…
p.s.
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シアバターの一言
好かれると冷めてしまうことを蛙化現象と言うそうです。