#小説で読む恋愛

アラン・ド・ボトンの恋愛小説「恋愛をめぐる24の省察」には特別ロマンチックな設定はありません。

平凡な「主人公」平凡な女性「クロエ」に出会い、平凡な恋愛をして別れるというシンプルな話です。

まるであなたと好きな人、または好きだった人との恋愛と同じように。

男と女が出会い、恋に落ちて別れるまでの過程…

今日は、9ページ目を見ていきましょう。

(1ページ)(2ページ)(3ページ)(4ページ)(5ページ)(6ページ)(7ページ)(8ページ)

別れの予感

 

気持ちが冷める

「恋人と長く付き合っていたいのなら強い意志と努力が必要だ」という話を前回しましたよね?

「好き」という熱い気持ちだけで関係が保てるのは付き合い始めの頃だけですから。

でも、努力すればするほど辛くなってしまう場合もあります。

相手がもう自分を好きではないと分かっていながらも、別れたくなくて恋人と無理やり関係を続けた事がある方なら、その辛さが分かるのではないでしょうか?

しかし、相手の気持ちが冷めている事を知っていながら何とか気持ちを取り戻そうと努力する側も辛いですが…
実は、ずるずる関係を続けさせられてる相手の方がもっと辛いと言います。

なぜなら、もう気持ちが冷めてしまっているため、相手にしてあげれる事、してあげたい事が何も思い浮かばないからです。

小説の中でも、このような状況に陥って辛い思いをしている「僕」とクロエがいます。

なんと…クロエの彼に対する気持ちが冷めてしまったと言うのです。

しかも「僕」はクロエにもう愛されてないことに気付いています。

果たして、クロエと「僕」はどうなってしまうのでしょうか?

別れの予感

 

言えなかった言葉

最近「僕」はちょっと嫌な予感がしていました。

「クロエはもう僕を好きじゃないのでは…?」と。

そう思う理由は…

クロエの家には必ず「僕」が好きなシリアルがいつも準備されていたのに、急に先週から高くなったと言って買って来なくなったり、

同僚のウィルと3人で飲みに行った時、僕は疲れていて早めに家に帰ろうとしたらクロエはウィルともう一杯飲んでから帰ると言ってきたり…

 

別れの予感

それに「家に着いたら連絡する」と言っていたのに、日付が変わっても連絡が来なかったり…

さらには、次の日の朝シリアルは高いから買わないと言っていたクロエが「僕」の好きなシリアルを持って家に訪ねて来たのです。

そして、こう言いました。

「飲んでいたら遅くなってしまって、近くの友達の家に泊めてもらったの。」と。

別れの予感

僕はクロエの言うことを信じれませんでした。

「友達の家ではなくウィルと一緒にいたんじゃないのか」
「悪い事をした罪悪感で、僕のためにシリアルを買ってきたのではないか」

頭の中でこんな考えが巡り「僕」はクロエに真相を問い詰めようとしました。

しかし…
「怖くて」
言えませんでした。

「予想が的中してたらどうしよう」と思ったら、怖くて聞けなかったのです。

そして、僕は結局気付いていないフリをすることにしました。

別れの予感

 

悪い予感ほど当たる?

人は、良くない事や知りたくなかった事を知ってしまった時、多くの人が知らないフリをすると言います。

すでにほぼ100%確信が持てるくらいの事実でも「まさかそんなわけない!」と考えるのです。

しかし、なぜか「悪い予感」は毎回当たってしまいます…

もちろん恋愛も同じで、
誰が見ても相手の気持ちが離れているのに「時間が経てばまた元通りになるはず!」と、気付かないフリをして関係を続けようとします。

恋人の気持ちが冷めている事実を認めたくなくて、問題の原因が自分にあると考えたりもします。

メリーランド大学のエドワード・ルメイ教授が、恋人が冷たい態度を取った時に人がどんな反応するのか観察したところ、
関係を続けようとする意志が強い人ほど、恋人の冷たい態度は自分のせいだと考えていたと言います。
(Lemay Jr & Edward P, 2014)

別れの予感

自分の細かい性格が嫌だったのかな、
自分がもっと努力すれば良くなるはずだ、
自己合理化するのです。

しかし、どれだけ気付かないフリをしていても、いつかは明らかになります。

「悪い予感」を感じてしまったところから、もうすでに「別れ」が目の前に現実として近付いていますから。

 

終わったけど終わってない

外から見ればいつもと変わらないラブラブな恋人のように見えても「僕」とクロエの気持ちは正反対です。

「僕」は、クロエの気持ちを取り戻そうと積極的に気持ちを表現し、
クロエは、そんな「僕」から距離を置き少しずつ関係を整理しようとします。

しかし、この時すぐに別れを切り出さないのは、まだ気持ちの整理が終わってないからでしょう。

別れの予感

恋人への気持ちはすでに冷めてしまっていても、今まで積み重ねた思い出や二人の関係に未練が残っているのです。
(参照:「別れようかな」と100回悩んでもなかなか別れられない理由)

なので、いつも通り食事をして一緒に映画を見たり、キスをしてセックスもしたり…

前と何も変わらない恋人としての関係を続けながら、自分の気持ちを整理しているのです。

しかし、クロエにとってはこの時間も関係を終わらせようとしている過程なのです。

別れの予感

この後2人はどうなってしまうのか…
続きは次の10ページ目で…

P.S

恋人の態度や口調が変わったなと思ったら、すぐに<LINE変化分析>をしてみてください。

「LINE変化分析」では、恋人の口癖がどのように変わったのか、どのくらい積極的にLINEをしているのか、愛情表現はどれだけ増えたのか等など…

ありとあらゆる変化に気づくことができます。

普段何気なくしている連絡の中に、二人の別れのキーワードが潜んでいるかもしれません。

ちょっと怖いかもしれませんが…一度下のバナーから確認してみてください。


大人の非常階段の一言

「僕」とクロエの恋愛小説、次回最終ページです!!!