宗教と結婚
宗教と聞くと自分とは関係のない、特別なもののように感じる人が多いかもしれませんが、2017年1月に発表された文部科学省の宗教統計調査によると、日本国内だけで188,892,506人もの信者がいると言います。(神道系、仏教系、キリスト教系、諸教)
宗教が身近に感じられるようになった事もあり、以前に比べ宗教の影響力が減ってきてはいますが、結婚においては相変わらず宗教が重要なポイントになります。
インターネット掲示板でも、配偶者の宗教で揉めている人を頻繁に見かけますよね。
そこで今日は恋愛の科学が、宗教と結婚についての研究を紹介しようと思います!
宗教と離婚
ブリガムヤング大学の社会学科のボーン・コール教授はアメリカの4587組の夫婦を5年間追跡して、夫婦の宗教と離婚率の相関関係を分析しました。
コール教授は実験を通して「宗教を信仰する人は離婚率が低いのか?」という質問に対する答えを得ようとしたのです。
まず、1つ目の結果を見てみましょう。
アメリカの研究なので、主に西洋の宗教を中心にした結果が出ていますが、全般的に宗教を信仰しない夫婦よりも宗教を信仰している夫婦の方が離婚率が低かったのです。
実際に、宗教を信仰している人は、あまり離婚をしないという事です!
しかし、詳しく聞いてみると、そんなに簡単な問題ではないのです。
宗教を信仰していると言っても、礼拝のような宗教活動には全く参加しない人がいるように、人によって信仰の強さに違いがあるからです。
そこで、コール教授は宗教という要素を宗教の種類・宗教活動への参加頻度・信仰の強さ等に細分化して、各要素が離婚率にどのような影響を及ぼすのかを調べました。
その結果、宗教で最も重要な事は「宗教活動への参加頻度」であるという事がわかりました。
それに比べて、単純に宗教を信仰しているという事実はあまり重要ではありませんでした。なので、信仰の有無よりは活動への参加頻度がより重要だという事でしょうか…?
しかし、もう1つ注意すべき事があります。
それは、2人のうち1人だけが宗教活動に参加している夫婦です!
このような場合には、
宗教を信仰していない夫婦よりも離婚率が高いという結果が現れました。
宗教を巡る問題がどれだけ難しい問題なのかを表す結果です。
もう一度…宗教と結婚
宗教を信仰している夫婦はなぜ離婚率が低いのでしょうか?
コール教授は2つの理由を挙げました。
「1つ目は、多くの宗教は結婚の神聖さと家族の価値を強調しています。なので、宗教を信仰している人は結婚生活をより重要に考え、これを守るためにより多くの努力をするのです。」
「2つ目は、一緒に宗教活動をすると、自然と共通の知人ネットワークが形成されます。周りの人たちも、同じ信仰を持っている仲間として、夫婦の結婚生活を支持し、支援するのです。」
(ボーン・コール教授、ブリガムヤング大学)
結局、宗教が離婚率を低下させる理由は、夫婦が2人の関係を重要に考え、より努力するからと言うことです。
この根本的な原理を理解すれば、宗教がなくても、または2人の宗教が違っていても十分に同じ効果を得ることができますよね。
夫婦とはいえ、結婚後もお互いを思いやり、尊重し、理解し合う努力が必要だということです。
(参照:現実は甘くない!結婚に夢見がちなら読むべき!)
これは宗教の有無に関係なく、すべての夫婦に当てはまることです。
宗教は結婚だけでなく、恋愛においても複雑な問題になることもあり、簡単に解決できるものではないかもしれません。
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