ストレスと恋愛
その日は、大変な一日でした。一限の授業を受けるため朝の満員電車に乗り、授業では時間をかけて準備した発表について担当教授から酷評を受けました。
その後、バイト先ではその日に限って、嫌なお客さんの接客をしなければなりませんでした。大変だったバイトが終わり、大好きな彼女に会いました。
どうしたの?疲れてる?
夕飯は食べたの?
彼女は心配そうに尋ねました。
いや、時間がなかったから。
僕はもう話す元気すらありませんでした。
何でもいいからちゃんと食べなきゃ!
いつもご飯抜いてるから、痩せちゃうんだよ。
彼女は僕のことが心配だったようです。最近食事をしょっちゅう抜いていたので、彼女の小言が多くなっていたのです。
僕のことを心配して言ってくれているので、彼女の小言もいつもありがたく思っていました。しかし、この日だけは少し違っていました。
食いたかったけど、食えなかったんだよ。時間がなくて...
何て言うか、優しく言えなかったのです。
どうしてそんな風に言うの?心配してるのに、、
僕の返事を聞いて彼女はちょっと驚いたようでした。しかし、僕はそこで自分を止められなかったのです。
母親かよ。忙しくて食えない時もあるんだよ。会うなり説教すんのやめてくれない?
今考えてみると、何でそこまで言ってしまったんだろうと思います。彼女は、俺のことが心配で言ってくれただけなのに、あまりにも過剰に反応した僕が悪かったと思います。
普段の僕は全くそんなことを言わないのですが…。ただ、不思議なことにその日は何か違っていたのです。僕は、どうしてこんなことを言ってしまったんでしょうか?
腹がたつ!
2012年、テキサス大学では、ストレスと恋人との揉め事に関する研究を行いました。
研究チームは、171組のカップルに14日間、毎日その日の出来事を記録させました。
そしてストレスを受けるようなことがあった日に
恋人と揉め事が起きる確率について分析しました。
171組の記録を分析した結果、この二つの間には、明確な相関関係がありました。
ストレスを受けた出来事が一つ増えるたびに恋人と喧嘩をする確率が53%も増加したのです。
どうしてでしょうか?
ストレスが恋愛に有害である最大の理由は、まさに自制心(self-control)が失われるからです。心理学者たちは、個人が持っている自制心を限られた資源だと説明しています。使えば使うほど減っていくバッテリーのようなものだと言えるでしょう。
日常でストレスを受けると、私たちは自制心でその状況を耐えようとします。しかし、もしそこで自制心を消耗してしまったら、恋人に会う時には自制心がほとんど底をついた状態になっているのです。
結局、先ほどの男性が彼女の些細な小言に簡単にキレてしまったのは、大変な一日を過ごした彼にはもう自制心が残っていなかったからです。そのため普段なら軽く受け流せるはずの小さな衝突も大きな問題となるのです。
どのカップルであれ、同じ結果となります。いくら幸せでお互い信頼し合っているカップルでも自制心が底をついた状況では「仲良く」過ごすということは非常に難しいことですから。
- エイプリル博士、テキサス大学
それでは、どうするか?
上記の研究を指揮したエイプリル博士は、ストレスが人間関係に及ぼす影響について知っているだけでも役に立つと語っています。
自制心が限られた資源であるという事実を知っていれば、ストレスを沢山受ける状況でも自分の状態をより理解することができるからです。
エイプリル博士が示唆するもう一つのポイントは、「一人の時間」です。
もしストレスが原因で疲れたら、自分の状況を相手に話してしばらく一人きりの時間を持つということです。
その間にリラックスしたり、好きなことをして底をついた自制心が回復した後に恋人に会えば、小さな揉め事を回避することができるでしょう。
しかし、何よりも大切なのは、パートナーが配慮してあげることでしょう。
ストレスで自分自身をコントロールできなくなっている状況を恋人が理解してあげられたら、初めから揉め事が起こる心配はないのです。この記事を恋人に読んでもらうのも良いでしょう。
大好きな恋人と長く付き合うためには、賢く状況を把握してお互いを配慮する事が重要なのです。
もちろん、長続きするには他にも大切な事が沢山あります。
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